「フォトギャラリー 石仏と野鳥」 新版  2018年10月
 
9月 11月

 
2018.10.31          続 田の神サア50選(34)   大川原の田の神
鹿児島県曽於市財部町下財部大川原  「安永9年(1780)年」
 大川原の田の神も田の神舞型の田神である。宮内の田の神や富田の田の神などと同じく右手でメシゲをかかげ、左手に飯椀を持って、右足をやや前に出して田の神舞を舞う田の神像である。宮内や富田の田の神と比べると動きもなく、体躯は子供のような稚拙な表現になっている。しかし、味わい深い農民風の顔と、白・青・赤・茶をうまく使った彩色が、この像を引き立て魅力ある田の神像になっている。「安永9年(1780)年」の刻銘がある。

 
続 田の神サア50選(35)   刈原田の田の神
鹿児島県曽於市財部町北俣刈原田  「文化8(1811)年」
 刈原田の田の神は長袴を着て、両手でメシゲを持って田の神舞を踊る姿の田の神像で、口をひん曲げゆがめた顔に特徴がある。刈原田の田の神も西田の田の神や新中の田の神と同じく、田の神が厳粛な神から戯れ神に庶民化して、戯画的に表現したものである。この田の神像の前には前にはミニサイズの田の神像が置かれている。

2018.10.29撮影      タヒバリ・オオカワラヒワ・ヒドリガモ・イカルチドリ       近くの川にて
毎年、この川にはタヒバリが渡来します。そろそろ、見られる頃だと思って、いつも見られるポイントに行くと2羽のタヒバリがいました。
 この川には毎年、ヒドリガモが多数渡来します。毎年、餌を与える人もいて、人が来ると近づいてきます。今年は、まだ数羽が来ているだけで、なかなか近づいてきません。そのヒドリガモの群れに、年によればアメリカヒドリが混じっていることがあります。来ている数羽のヒドリガモに目の周りが緑色ががった個体がいました。ヒドリガモとアメリカヒドリの交雑の可能性もありますが、緑の部分が少なく交雑種ではなさそうです。
 この川ではよくカワラヒワを見かけます。今日撮影したカワラヒワは三列風切の白い縁取りが幅が広く、スズメより大きいように見えました。オオカワラヒワでないでしょうか。
この川ではイカルチドリをよく見かけます。
イカルチドリは背伸びするように顔を上げるポーズをしました。

2018.10.29撮影             ノビタキ・キセキレイ     近くの川にて
川のそばの耕作放棄地でノビタキを見ました。数年前まではここは水を張った休耕田でした。
川の横の水路に3羽のキセキレイがいました。
石垣に器用にとまりました。
浅い水路で採食です。

2018.10.28撮影             キセキレイ・オシドリ     古墳のある公園と地元の山の池にて
いつも行く公園では夏鳥が見られなくなりました。結局、キセキレイを撮影したのみです。
山の池は、日曜日で人が多く、騒がしくて、オシドリは3羽ほど見ただけです。
オシドリのエクリプスです。

2018.10.26撮影             オオムシクイ?・ジョウビタキ         古墳のある公園にて
池畔の木で鋭い「ジッ」「ジジッ」と言う声が聞こえました。近づいてみるとムシクイです。おそらくオオムシクイと思われます。
 古墳の空堀の草原にもムシクイがいました。今年の冬よくベニマシコを撮影したところです。草にとまって小さなアオムシを捕っていました。木の上ではなく草原にいるムシクイを見たのは初めてです。鳴き声は出さなかったのでメボソムシクイかオオムシクイかどちらかわかりません。黄色いセイタカアワダチソウの花か背景になってよい写真が撮れました。
小さなアオムシを銜えたところです。
ジョウビタキもやってきました

2018.10.25撮影             オオムシクイ?・キビタキ♀          大阪の都市公園にて
 海沿いの野鳥園の後、いつも行く都市公園に行きました。梅林に行くと前の時に比べると数は少ないですが、ムシクイがいました。相変わらす近くで低い位置にとまってくれます。やや鋭い、短い鳴き声が聞こえたのでおそらくオオムシクイと思われます。
 前回と同じくキビタキもいました。残念ながら雌しか見られませんでした。この後、東の方にある森に向かいました。10人ほどのカメラマンがムギマキ♀を追いかけていました。その中に混じって40分ほど粘ったのですが、撮影できませんでした。またその近くで、コマドリを撮ろうとコマドリが木の茂みから出るのを数人のカメラマンが待っていました。これも、しばらく待ったのですが、用事で帰らなければならなくて諦めました。

2018.10.25撮影        チュウヒ・アカアシシギ・アオアシシギ       海沿いの野鳥園にて
 海沿いの野鳥園に行きました。野鳥園には様々な野鳥がいたのですが、すべて遠くまともな写真は撮れませんでした。チュウヒも飛んでいたのですが、遠くてピンぼけの写真です。
 アカアシシギとアオアシシギの群れが遠くに見えますが、なかなか近づいてくれません。1羽のアカアシシギが何とか撮影できるところまで来てくれました。
アオアシシギも1羽、どうにか撮影できるところまで来てくれました。幼鳥と思われます。
どうにか撮影したアオアシシギとアカアシシギの群れです。

2018.10.24撮影               キセキレイ♀     古民家のある公園にて
 久しぶりにこの公園に来たのですが、まだ台風の爪痕が残り、多くの場所が立ち入り禁止です。野鳥も少なく、コゲラ・シジュウカラ・メジロとキセキレイを見ただけです。キセキレイは公園の北出口付近にいました。雌で下腹部の黄色は淡く白い部分も多いです。

2018.10.22撮影                  オシドリ              地元の山の池にて
 今日は地元の山の池に行きました。この前と同じくオシドリの「クゥオ クゥオ」という声が聞こえました。池の南の岸に数羽のオシドリがいました。もうしばらくすると紅葉が始まり、紅葉とオシドリのよい写真が撮れそうです。
少し色づいたモミジがあり、その下にオシドリがいました。
 オシドリが追い掛け合いをしていました。その後、数羽のオシドリが何回も池に潜り始めました。浮き上がると水をはじくためか、羽ばたきをします。その様子を何枚も撮影することができました。

2018.10.21撮影               コゲラ・ムシクイ     地元の山の上の桜園にて
 あれだけ多くのヒタキ類を見た桜園ですが、今日は見たのは2羽のキビタキ♀と1羽のムシクイとメジロ・コゲラだけです。撮ったコゲラは枝かぶりでしたが、頭頂の赤い部分を撮せました。コゲラの雄は頭頂部の一部に赤い所があるのですが、いつもは隠れていてなかなか赤い部分が見られません。今まで赤い頭部のコゲラを撮影したのは数回だけです。
アオムシを食べるムシクイです。鳴く声からオオムシクイとも思えたのですが、やはりメボソムシクイなのでは?

     
2018.10.20撮影            ジョウビタキ♀・ムシクイ・モズ        大きなため池の近くにて
大きなため池の近くの民家の庭にジョウビタキの雌がいました。この秋初めてのジョウビタキです。
 この民家の庭の木にはシジュウカラ・ヤマガラの混群が来ていました。その中の1羽にメジロかなと思ってカメラを向けたのですが、撮ってみるとムシクイ(メボソムシクイ?)でした。この秋は各地でよくムシクイを見ます。これだけムシクイを撮影した年は初めてです。
ため池の岸の道にはモズがいました。

2018.10.19撮影          キビタキ・コサメビタキ     古墳のある公園にて
古墳のある公園では柿の葉が色づききれいです。柿の紅葉をバックにして撮ったキビタキとコサメビタキです。

     
2018.10.20撮影            オナガガモ・キンクロハジロ        近くの大きなため池にて
 2日にキンクロハジロを見た、近くの大きなため池に行きました。15日にもこのため池に来たのですか、カモ類はキンクロハジロ4匹のみでした。しかし、今日はコガモが10羽ほど池の岸で休んでいました。近づくと池の真ん中に飛んでいきました。西へまわって順光の場所から池を眺めるとコガモ以外のカモも見られました。望遠レンズで覗いてみると、オナガガモのようです。8羽確認できました。
 頭が焦茶色で前頸から胸は白い雄は見られず、雄はすべてエクリプスで、雌とはすぐに識別できません。この画面のオナガガモには雌がいないように見えるのですが。
 この池には改修前の3年前、多数のマガモやヨシガモに混じって、時々オナガガモが数羽入っていました。改修中は水が抜かれ、コガモと数羽のヨシガモしか見られませんでした。改修が終わり、以前のように、ヨシガモ、ミコアイサ、オカヨシガモ、トモエガモなどの多種類のカモ類やカンムリカイツブリが見られたらよいのですが。
オナガガモの群れに2羽のキンクロハジロ雌が合流しました。

2018.10.19撮影                  オシドリ              地元の山の池にて
 久しぶりに地元の山の池に行くとオシドリの「クゥオ クゥオ」という声が聞こえました。橋の上からよく見ると池の南の岸に数羽のオシドリがいました。
陰になって暗かったのですか何とか羽ばたくオシドリを撮影できました。

2018.10.17撮影             キビタキ・コサメビタキ              大阪の都市公園にて
キビタキ雄は3羽ほど見かけました。多くのムシクイがいた梅園でもキビタキ雄がいました。近くで撮影できました。
梅園以外でもキビタキ雄を撮影できました。
広い庭園で見かけたキビタキ雌です。
遊歩道に降りてきたキビタキ雌です。
コサメビタキです。

2018.10.17撮影                メボソムシクイ?            大阪の都市公園にて
 今年は台風の影響か各地でムシクイをよく見かけます。特にこの公園ではメボソムシクイかオオムシクイかわかりませんが大変多く、それも木の低い位置にとまっています。
特に梅林には多くのムシクイが集まっています。近くでムシクイを正面から撮影することができました。口を開け、舌を出しています。
ムシクイがヒタキ類や小型ツグミ類のように杭やロープにとまる姿は非常に珍しいのでは。

2018.10.17撮影                 コマドリ♀            大阪の都市公園にて
 この公園には毎年、春と秋に多くの種類の渡り鳥が渡りの途中、立ち寄ります。特に春はコマドリ、秋はノゴマがよく立ち寄り、毎年、楽しみにしています。今年もノゴマがよく出ているというのでこの公園に来たのですが、撮影できませんでした。代わりに撮影したのはコマドリの雌です。春にこの公園で撮影して以来です。

2018.10.15撮影            ノビタキ・キビタキ♀   近くのコスモス畑と地元の山の上の桜園にて
 昨年の秋ハジロカイツブリを撮影したため池の近くのコスモス畑にノビタキがいました。しかし、とまってくれたのはコスモス畑のそばの雑草でした。アオムシを銜えていました。
コスモスの花にとまってくれることを期待したのですが、そのまま飛び去ってしまいました。
午前中はいつもの桜園に行きました。キビタキ雌しか出会いませんでした。

2018.10.14撮影          メボソムシクイ?・キビタキ♀・モズ     地元の山の上の桜園にて
 この秋4回目の桜園です。昨日と比べると鳥の数も減り、数羽のキビタキ♀と2羽のムシクイを見ただけです。昨日もムシクイを見たのですが、木の葉に隠れ動きも速くまともな写真は撮れませんでした。今日はムシクイの全身が撮れました。頭央線はなく、メボソムシクイかオオムシクイと思われます。
逆光だったので大幅に露出補正しました。
今日も、いちばん多く撮影したのはキビタキ雌です。
木の上にとまったモズの鳴き声がよく聞こえます。珍しく下に降りてきました。

2018.10.13撮影        エゾビタキ・キビタキ♀・アトリ・ビンズイ     地元の山の上の桜園にて
 この日は桜園ではムギマキ以外にエゾビタキと数羽のキビタキ雌を撮影しました。エゾビタキは撮影した位置の関係か、丸くて可愛い姿でした。珍しく「ツィーツィー」と小さな声で鳴いていました。
いちばん多く撮影したのはキビタキ雌です。その中で最もよいと思う写真を載せました。
冬鳥のアトリもいました。
キビタキ雄かなと思ってレンズを向けたのですかビンズイでした。

2018.10.13撮影              ムギマキ雌・幼鳥        地元の山の上の桜園にて
 この秋3回目の桜園です。広い桜園のあちこちでヒタキ類を見ることができました。多くはキビタキの雌でしたが、喉から腹の上部がオレンジ色がかった茶色の鳥もいました。ムギマキの雌または若鳥と思われます。
いつも行く近くの公園や地元の山では初めて見たムギマキです。
また違う個体です。若鳥と思われます。

2018.10.12撮影               ミヤコドリ         三重県の川の河口にてにて
 三重県の川の河口に行きました。渡りのシギ類を撮るために9月中に行きたかったのですが、台風などのため行けず10月中旬になりました。案の定、シギはいませんでした。最初に行った川の河口にはミヤコドリとカルガモしか見当たらす寂しい状態でした。ミヤコドリは近くで撮影することができ、赤い虹彩も撮れました。
別の川の河口にもミヤコドリがいました。鳴きながら採食していました。
ミヤコドリは二枚貝もよく食べます。シジミを銜えたところです。
羽づくろいや水浴びしているミヤコドリもいました。

2018.10.12撮影       ユリカモメ・シロチドリ・オナガガモなど       三重県の川の河口にてにて
 最初に行った川の河口の干潟にはミヤコドリしかいませんでした。次に訪れた川の河口の干潟にはユリカモメとウミネコの群れがいました。しばらく見ているとユリカモメとウミネコの群れの一部か飛び上がりました。
ユリカモメとウミネコの飛び上がった群れは、しばらく旋回して元の干潟に戻りました。
 河口近くの海岸の調整池にはヒドリガモなどのカモが渡来していました。オナガガモも3羽いました。雄2羽と雌1羽です。雄はエクリプスです。
シギ・チドリ類はミヤコドリ以外ではシロチドリしか見られませんでした。
シロチドリの採食です。ゴカイの切れ端なのでしょうか。
ミサゴも期待したのですが、トビしかいませんでした。
イソシギです。よく海岸にいますが、最近は住宅街や街の中でもよく見かけます。

2018.10.10撮影              エゾビタキ・キビタキ♀        地元の山の上の桜園にて
昨日にひきつづき桜園に行きました。あれだけいたコサメビタキは見られませんでしたが、エゾビタキがいました。
この秋は今まで見たことがない所でよくエゾビタキを見かけます。
昨日と同じくキビタキの雌もいました。雄は見られませんでした。

2018.10.9撮影               コサメビタキ      地元の山の上の桜園と古墳のある公園にて
 地元の山の上の桜園でコサメビタキを見ました。桜の枝から枝へと数羽のコサメビタキか飛び移っていました。今年は各地でよくコサメビタキを見かけます。
午前中、古墳のある公園に花を見に行きました。そこにもコサメビタキがいました。

2018.10.9撮影                 キビタキ           地元の山の上の桜園にて
 久しぶり毎年ウソを見られる桜園に行きました。いつもは地元の山から山道を歩いて行くのですが、台風による倒木によって通行できません。今日は車で山の上の公園にいってそこから桜園に入りました。コサメビタキか多数いてその中にキビタキも混ざっていました。キビタキは雌だけでなく雄もいました。
この秋初めてキビタキの雄を撮影しました。
キビタキの雌も2羽見かけました。

2018.10.8撮影              コサメビタキ          地元の山にて
 昨日、ムシクイやコサメビタキを撮影した林の近く、ハイキングコースの終点付近のネムノキにコサメビタキがいました。昨日のコサメビタキと同じ個体と思われます。

           
2018.10.7撮影            メボソムシクイ?・コサメビタキ        地元の山にて
ムシクイがいました。頭央線が見られないのでセンダイムシクイではなさそうです。鳴き声からメボソムシクイと思われます。
藪の中で鳴いていました。
下面が見られないのでわかりませんがコサメビタキでは。

2018.10.6撮影          イカルチドリ・ヒドリガモなど         地元の河川にてにて
 ノビタキとチョウゲンボウを目的で家の近くの川に行きました。秋になると多数のノビタキが渡来するので楽しみにしていたのですが、最近は両岸の河川敷がゴムチップ舗装のジョギングコースになり、ノビタキもあまり見られません。今日も見ることができませんでした。この川の川岸や砂州でいつも見かけるのはイカルチドリとイソシギ・ケリです。今日も1羽のイカルチドリが川面を飛んでいて、砂州に降り立ちました。
この川には毎年多くのヒドリガモが渡ってきます。先発隊なのか3羽渡ってきていました。
カモ類は3羽のヒドリガモ以外はカルガモでした。ケリが飛び立つとカルガモも飛び立ちました。
イソシギは3ヶ所で見かけました。

2018.10.5撮影             エゾビタキ・コサメビタキ         古墳のある公園にて
古墳の後円部の裾野にある柿の木に数羽のエゾビタキが、集まってきています。柿の木にとまり、周りを飛び、空中採食をしています。
飛び立とうとする瞬間です。
飛んでいる場面はとれましたが、虫を採食する場面は速くて撮れません。
公園にはコサメビタキもいました。

2018.10.3撮影             キビタキ♀            大阪の都市公園にて
 台風24号の影響もあるのか、前に来た時より立ち入りの場所が増えて、野鳥のよくいる森や梅園に入れなくなっていました。ノスリとキビタキの雌などを見ましたが撮影できたのはキビタキ雌のみです。
 今年の秋はまだキビタキの雄を撮影していません。今日も雌を撮影しました。雌ですが、枝を飛び移りながら様々なポーズをしてくれ、可愛いキビタキの写真が撮れました。

           
2018.10.2撮影             キンクロハジロ・キセキレイ        近くの大きなため池にて
 このため池は3年間改修工事や護岸工事が行われていて、水が抜かれたりして、カモ類などの野鳥は少なくなっていました。久しぶりに池へ行くと工事はほぼ終わっていて、水も満杯に張られていました。カモが4羽泳いでいました。キンクロハジロです、
 秋になって渡りのカモを見たのは2回目です。数日前、いつも行く休耕田でコガモの群れを見ました。今年、春の渡りの時、最後まで残っていたカモはコガモとキンクロハジロで、秋の渡りの最初に見たのも、コガモとキンクロハジロです。
後の焦げ茶色のカモは雌です。
池の近くの民家の塀にキセキレイがとまっていました。

           
2018.10.2撮影                ムシクイ・ヤマガラ        地元の山のハイキングコースにて
ムシクイがいました。
枝かぶりの写真しか撮れませんでした。
ヤマガラです。

 
 
2018.10.1          続 田の神サア50選(31)   新中の田の神
鹿児島県姶良市加治木町木田新中 
 姶良市加治木町の新中公民館の前庭に2体の田の神が安置されている。一体は日木山里の田の神と同じ、左手でシキを押さえて、笑みを浮かべて中腰で田の舞を踊っている田の神像で、もう一体が右手で曲がったメシゲを持ち、左でメシゲに添えるようしめたタスキを持つ田の舞姿のこの田の神である。大きな折り笠状のシキをかぶり、垂れ目でシワ面で好々爺のような顔をしている。
 江戸時代後半から末期になると田の神舞型の田の神はこのように戯画的な姿の田の神が多くなる。これは田の神が厳粛な神から戯れ神に庶民化しつつある姿と言える。

 
続 田の神サア50選(32)   松下田の田の神
鹿児島県薩摩川内市入来町浦之名 松下田  「元文2年(1737)」」
 松下田の田の神は元文2年(1737)の作で、大きなドーム状のシキをかぶり、裁着け袴をはき右手で軍配のようなメシゲをかかげ、左手を腰に置いている。支え石があり、横から見るとと腰掛けているように見える。シキの前の部分か欠けていて日差しがまぶしそうである。
 横に立つ案内板には「(前略)シキをかぶり、袴の裾を引きしぼり、メシゲを持つという型の田の神像としては、入来で最初に現れたものです。これを後から見てください。男茎型ですが、これは生殖と増産とが結びついた古代以来の信仰を現わしているのです。」と書かれていた。

 
続 田の神サア50選(33)   富田の田の神
 鹿児島県曽於市末吉町南之郷富田 
 大隅半島の北部に位置する曽於市には神職座像型の田の神も見られるが、田の舞型の田の神像が多く、田の神像の様相は大隅半島の中部の鹿屋市や肝属郡とは違っている。
 曽於市の田の舞型の田の神像のなかでも味わい深いのが富田の田の神である。右手でメシゲをかかげ、左手で椀を持った田の神で、大きく膨らんだお腹と両膝の丸く膨れた裁着け袴袴が福耳を持ったにこやかな丸顔とマッチして、田の神舞を舞う素朴な農民と行った風情である。

9月 11月