新薬師寺如来立像石仏

 地蔵十王石仏の向かって右に芳山二尊石仏と似た如来立像の石仏が安置されている。高さ1.5mほどの不整形の自然石に、高さ138pの二重円光背を彫りくぼめ、像高109pの蓮華座に立つ如来像を半肉彫りしたもので、右手を胸前に上げて掌を下に、左手は腹のあたりで掌を上にした珍しい印相の石仏である。

 薄い納衣をまとった重量感のある体躯、裾前からの円状の衣紋、張りのある厳しい面相など、奈良奥山の芳山二尊石仏と共通する。奈良時代後期の作と考えられる。