四国霊場の石仏3
弥谷寺(第71番札所) 香川県三豊郡三野町大見70
JRみの駅から善通寺行きバス「弥谷寺口」下車徒歩35分
標高382mの弥谷山は、死者の霊が帰る「仏の山」として昔から信仰を集めている。本堂まで急勾配の階段が続き、遍路泣かせの難所であるが、いかにも密教の修行の場に相応しいところである。
この弥谷寺に四国で唯一といってもよい、鎌倉時代の磨崖仏がある。比丘尼谷と呼ばれる崖の面に彫り窪めた舟形光背の中に阿弥陀三尊像を半肉彫りする。摩滅がひどく、脇持の観音・勢至菩薩は顔がほとんどわからない。舟形光背の彫り込みの上にコンクリートで補強されたひさしが興ざめるが、端正な顔の阿弥陀如来は四国の石仏の中でも傑作といってよい。
善通寺(第75番札所) 善通寺市善通寺町3-3-1
JR善通寺駅より徒歩約1.5q
弘法大師誕生の地、善通寺は、真言宗善通寺派の総本山であり、高野山・東寺とともに大師三大霊場の大寺院である。寺宝も多く、宝物館で拝観できる。ただ、石仏は意外と少なく、西院の大師堂の前にある大師と母堂の像や塔中の観智院の石仏群などが目立つぐらいである。東院の大楠の下に百度石に転用された遍路道標がある。
屋島寺(第84番札所) 高松市屋島東町1808
JR屋島駅より徒歩で屋島ケーブルで山上駅。徒歩約1q。
香川県を代表する景勝地、屋島の山上にある札所で、お遍路さんとともに観光客も絶えない。源平合戦の舞台の地でもあり、境内の宝物館には合戦にまつわるものも多い。大師堂の横に多くの石仏が安置されている。特に、シンバルのような楽器、ばつ子を持った地蔵が印象的である。
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