近江の磨崖仏2

福林寺跡磨崖仏

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地蔵菩薩 地蔵菩薩 地蔵菩薩
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地蔵菩薩 観音菩薩立像 観音菩薩立像
・滋賀県野洲市小篠原
・JR JR東海道線「やす」駅下車東へ約2q。
・自動車 名神「栗東IC」より国道8号線を彦根方面に約7q。バス停「野洲中学校前」の交差点を右折し野洲中学校の南側の道をしばらく行くと遊歩道があり、遊歩道前で車を止めて、遊歩道を歩くとすぐに案内板と小さな橋がある。
 野洲中学校の東の裏山の中に福林寺跡磨崖仏がある。野洲中学校の東側の遊歩道に沿って小川があり、その小川にかかる小さな橋を渡り、林道を10mほど進むと、観音と阿弥陀・地蔵の3体の磨崖仏がある。ともに、舟形光背を彫り込み、蓮華台に立つ像高30p〜50pの諸尊を半肉彫りする。形式化した室町後期の作風であるが、一番大きな観音菩薩像は端正な作で福林寺跡の磨崖仏群の中では一番の秀作である。

 その3体の磨崖仏のある岩の奧にある、木の下の平たい岩の側面には、十三体の地蔵菩薩と思われる小さな像が並べて浮き彫りされている。いずれも両手を胸前に合掌していて、顔はすべて独特の丸顔で、ユーモアあふれる群像である。制作年代は江戸時代のと思われる。稚拙な作品であるが、福林寺跡磨崖仏の中では最も印象に残る石仏である。

 林道を入って右側にも、同じような合掌する小磨崖仏がある。


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妙光寺山地蔵磨崖仏

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・滋賀県野洲市妙光寺山
・JR JR東海道線「やす」駅下車東へ約3q。
・自動車 名神「栗東IC」より国道8号線を彦根方面に約7q。バス停「野洲中学校前」の交差点を右折し野洲中学校へ。中学校前の道を右折し、山に沿ってしばらく進むと、案内板がある。案内板の前に車を止めて、そこから山道を徒歩0.7q。

 近江富士と称される三上山の北の尾根づたいの峰が妙光寺山とよばれる山で、その山の北斜面にこの地蔵磨崖仏がある。野洲中学校方面から入るとわかりやすい。現在、案内板がきちんと整備されていて、登山口さえわかれば、迷わずにたどり着ける。

 妙光寺山の北面中腹に露出する岩壁に長方形の彫り込みをつくり、像高約1.6mの地蔵菩薩立像を半肉彫りする。地蔵は柄の短い錫杖と宝珠を持ち、木ぐつをはいている。「元享四(1324)年」の造立銘があり、近江を代表する地蔵磨崖仏である。六頭身から七頭身のすらっとした体躯であるため、力強さはあまり感じられないが、整った写実性豊かな優れた磨崖仏である。


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見世のおおぼとけ

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見世の大仏 見世の大仏 見世の大仏 見世の大仏 阿弥陀如来磨崖仏
・滋賀県大津市滋賀里見世
・鉄道 京阪電鉄石山坂本線「しがさと」下車。西へ徒歩1q。
・自動車 名神「京都東IC」より西大津バイパス(R161)を北へ約7q。滋賀里病院付近から西へ、約500m。

 滋賀里の西の山中に天智天皇の創立という崇福寺の跡がある。その崇福寺跡へ向かう山道(昔の京都への脇街道)の途中に、この石仏がある。石というよりは岩と呼びたい巨石の表面をきれいに加工し、座高3mを越える巨大な阿弥陀如来座像を厚肉彫りに刻み出している。頭部はほとんど丸彫りに近い。通称「見世の大仏(おおぼとけ)」と呼ばれる丈六の石仏である。

 磨崖仏ではないか磨崖仏に匹敵する量感をそなえた石仏である。顔は童顔であるがひきしまった優美な姿で、鎌倉期の特色を見せている。衣紋などの表現は大まかであっさりした表現となっているが、それがかえって、石の持つ迫力を引き出していて、木彫仏と違った魅力が感じられる。

 この石仏の近くには、小さな岩に阿弥陀如来座像を半肉彫りした磨崖仏もある。 



balla11.gif (642 バイト)近江の磨崖仏1

balla11.gif (642 バイト)近江の磨崖仏3

 



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